NHKのど自慢 兵庫県加西市から part2(山田錦) [生活]
⇒part1の続きです
山田錦について教えてください
山田錦(やまだにしき)は、稲の品種の一つ。
主に日本酒醸造に用いられており、酒造好適米の代表ともいわれます。
この山田錦は1923年、兵庫県立農事試験場(現兵庫県立農林水産技術総合センター)
で、山田穂(やまだぼ)と短稈渡船(たんかんわたりぶね)の2つの品種を交配
させて誕生し、1936年に「山田錦」と命名されました。
「山田錦」の「山田」は「山田穂」から取り、「錦」は命名当時の稲の品種名に
一般的に用いられていたことから名付けられました。
山田錦は酒造好適米の代表例に挙げられるように、その登場以後全国新酒鑑評会
では鑑評会上位を占めるようになっていきました。
兵庫県で最も多く生産されており、国内の生産量の8割を占めています。
日本酒の原料は主に玄米と水。米は日常的に食べる食用米も使われるが、良質な
日本酒を造る場合は、醸造用に栽培された専用米が使用されています。
酒造りに適した「酒造好適米」(酒米)と呼ばれ、一般の米と区別されている。
醸造用玄米の主な成分は炭水化物(主にデンプン質、約72%)、水分(約15%)、
タンパク質(約8%)、脂肪(約2%)です。
酒米の主な特徴は3点です。
①大粒である事
②中心部に白色不透明な「心白」(しんぱく)があること
③タンパク質が少ないこと
酒造りの最初の工程では、米の表面を磨いてタンパク質や脂肪を削り落とす「精米」
が行われます。(削られた粉が「ぬか」です。)
食用米は約8%のぬかを取り除くが、酒米の場合は、平均33%になります。
高級酒といわれる吟醸酒では最低40%削り、大吟醸酒では50%以上も削ります。
酒作りでは「麹」に含まれる「麹菌」がの中のでんぷん質を糖に変えていきます。
そして、変換された糖をアルコールに変えるのが「酒母(の中に含まれる酵母)」です。
<参考>
酸素のない条件下で有機物を酵母が分解する作用をアルコール発酵といいます。
この過程で、糖(グルコース)はエタノール(アルコール)に分解されます。
⇒醸造の記事へ
●山田錦と一般的な食用米の穂の比較
コストや時間をかけても高精米(削る割合を高める)するのは、玄米の表面にある
糊粉層などに多く含まれるタンパク質を極力除きたいからです。
タンパク質が多過ぎると、酒に苦味や「雑味」(きたない味、不快な味、荒さを与える味
など)をもたらすといわれます。
大粒が好まれるのは精米するときに表面を大きく削り取るため、大粒のほうが削りやすい
からです。
普通の食用米の米粒は、デンプンがぎっしり詰まり、水晶のように全体が透明になっています。
しかし、酒米の中心部にはデンプンの中にすき間があるため、光が屈折して曇って見えます。
それが「心白」です。
日本酒は、同じ醸造酒でもワインと違って、デンプンを分解して糖化させる工程が必要だが、
心白があれば、菌糸がその内部に入って繁殖しやすく、糖化が進みます。
心白のある酒米が酒造りに適している理由です。
とりわけ大吟醸酒はこのように大粒、心白、低タンパクの酒米を使い、コストと時間を
掛けて極限にまで磨き込んで造られます。
そうした造りの中から、芳醇な香りと端麗な味が生まれてきます。
日本酒の芸術品といわれるゆえんです。
酒造好適米について教えてください
日本酒づくりに適した性質を持つ酒造用品種の米です。食用の米に比べ、アルコール
の生成に必要なでん粉質の割合が高く、雑味を生じさせるたんぱく質の割合が低いのが特徴です。
また粒が大ぶりで高度な精米にも耐え、中心部に白く不透明な部分があるが、
これは組織が疎(まば)らな部分で、発酵を行いやすくなっています。
「山田錦」「五百万石」「美山錦」などの品種が知られます。
(参考)
「吟醸酒」「純米酒」のような肩書きが付いているお酒のことを、特定名称酒と言います。
この肩書きは、決して酒造会社が好き勝手つけていいわけではありません。
酒税法という日本の法律で定められた基準を満たしたお酒のみが「吟醸酒」や「純米酒」
などと名乗れる事になっているのです。
一方、特定名称の基準を満たしていないお酒は、法律上「普通酒」と呼ばれます。
この、特別な肩書き付きの「特定名称酒」には、次の8つの種類があります。
①純米大吟醸酒
②大吟醸酒
③純米吟醸酒
④吟醸酒
⑤特別純米酒
⑥特別本醸造酒
⑦本醸造酒
⑧純米酒
この8つの名称のうち、4つには「吟醸」というキーワードが、同じく4つには「純米」
というキーワードが入っています。
吟醸酒とは?
「吟醸」の称号を得るためには、次の2つの基準をクリアしなければなりません。
①精米歩合が60%以下であること
②「吟醸造り」という製法で作られていること
精米歩合が60%以下というのは、お米の表面を40%以上削るということ。
お米は中心の方にでんぷん質が集中していて、周りは雑味になりやすい成分
でできています。
したがって、削れば削るほど(バランスも大事ですが)雑味の少ない綺麗な
お酒になるのです。
そしてふたつ目の条件である吟醸造りとは、たくさん磨いた(削った)お米を
低い温度で時間をかけて発酵させる作り方のことを言います。
このように手間のかかるお酒であるため、精米歩合が低い吟醸酒は値段が高くなります。
しかし、その「吟醸香」と呼ばれる香りは華やかで、まるでバナナやリンゴのように
感じられるため、ファンが多いのです。
”大”吟醸とは?
「純米大吟醸」のように、「大」の付く吟醸酒もあります。
これは、吟醸に使うお米をさらに磨いたものということです。
前述の通り、吟醸酒になるためには40%以上お米を磨き、精米歩合60%以下にしなくてはなりません。
しかし大吟醸ではさらに10%磨き、精米歩合50%にしなくてはならないのです。
ちなみに8つの特定名称酒のうち、「純米酒」以外は全て精米歩合70%以下のもの
であるため、基本的な覚え方としては、
お米を30%磨く(精米歩合70%)と「特定名称酒」の称号がもらえる
お米を40%磨く(精米歩合60%)と「吟醸酒」の称号がもらえる
お米を50%磨く(精米歩合50%)と「大吟醸酒」の称号がもらえる
(ただの「純米酒」には、精米歩合の規定がありません)
純米酒とは?
特定名称酒として「純米」の表記があるお酒には、お米と米こうじしか含まれていません。
言い換えれば、製造の過程でアルコールが添加されていない日本酒のことを純米系と表現します。
一方、特定名称酒の中で純米の表記がない「大吟醸酒」「吟醸酒」「本醸造酒」には、
醸造アルコールというものが添加されています。
このように聞くと、醸造アルコールが入っていない純米系の方が良いお酒のように
思えますが、実は必ずしもそうというわけではありません。
醸造の過程でアルコールを加える行為は、現在では必ずしもお酒を伸ばす
(少ない原材料でお酒を増やす)役割を担っているわけではありません。
その方が辛めでスッキリとした味になったり、お酒を腐りにくくする作用があったりする
ために、あえてアルコール添加している蔵もあります。
ちなみに、純米系のお酒はお米の味が凝縮されていると考えることもできるでしょう。
ラベルに記載された「山田錦」とか「五百万石」とか、
そういったお米の味そのものを楽しんでみたい方にはおすすめです。
本醸造酒とは?
例えば「純米」条件をクリアした「大吟醸」なら「純米大吟醸」だし、「吟醸」だけを
クリアしているなら「吟醸酒」と呼ばれることになります。
そして、まだ説明していない「特別本醸造酒」「本醸造酒」ですが、これらはいずれも
醸造用アルコールというものを添加した日本酒を表現するものです。
ただし、普通酒と違うのは、添加する醸造用アルコールの量が、白米の総重量の10%未満
までに抑えなければならないと定められている点です。
つまり、アルコールは添加しているけれど「普通酒」と呼ばれるものよりは添加量が少ない
ものが「特別本醸造酒」「本醸造酒」なのです。
なお、「特別本醸造酒」と「本醸造酒」の違いは、前者は精米歩合が60%以下のもの。
後者は精米歩合が70%以下のものであるということです。
まとめ
①純米大吟醸酒
原材料にお米と水のみを使用 / 精米歩合が50%以下 / 吟醸造り
華やかな香り / お米本来の味わい
②大吟醸酒
アルコール添加有 / 精米歩合が50%以下 / 吟醸造り
華やかな香り / すっきりした味わい
③純米吟醸酒
原材料にお米と水のみを使用 / 精米歩合が60%以下 / 吟醸造り
華やかな香り / お米本来の味わい
④吟醸酒
アルコール添加有 / 精米歩合が60%以下 / 吟醸造り
華やかな香り / すっきりした味わい
⑤特別純米酒
原材料にお米と水のみを使用 / 精米歩合が60%以下 / 吟醸造りではない
香味は良好 / お米本来の味わい
⑥特別本醸造酒
アルコール添加有 / 精米歩合が60%以下 / 吟醸造りではない
香味・色沢ともに良好
⑦本醸造酒
アルコール添加有 / 精米歩合が70%以下 / 吟醸造りではない
香味・色沢ともに良好
⑧純米酒
原材料にお米と水のみを使用 / 精米歩合に指定なし / 吟醸造りではない
香味は良好 / お米本来の味わい
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